2026.03.09
父から娘へ~古庄家の藍染~






徳島市佐古七番町川沿いにある古庄染工場。50年前、戦火で焼失後に建て直され、五代目・古庄理一郎氏の時代から自分達が使い易い様にDIYされてきた。大きな煙突や藍染に使う道具は、染工場の移り変わりをそっとその場に佇み見守ってきた。現在は、六代目・紀治氏と娘の美智子氏が藍染創作を行う。
古庄染工場の藍染は、現代も伝統的な天然灰汁醗酵建て製法で藍染創作をするが、昨今の温暖化の影響を受け、夏は藍液の管理に苦慮し腐らせてしまうこともあるという。
古庄家が紡ぐ藍染。週末の土曜日、藍に糖蜜と強力粉を混ぜ元気を与え、日曜日は休ませ、蒅の醗酵温度等で違う藍の色を楽しむ。美智子氏が好きな絞り技法は、思い描いた柄が出ないこともある。染め上がった柄が気に入らなければ、納品後でも創作し直し納品する。得意先の意向を汲みつつ納得するまで藍染が続けられ、一切の妥協はない。
美智子氏は幼少の頃に母が描いた絵を平縫いして絞り染めしたことが、藍染に携わる始まりであった。複雑な柄を絞りで表現する美智子氏。紀治氏もまた、藍染の特徴を一番表現し易い絞り染めを好み、明治時代に量産型の染め方であった注染も得意とする。
紀治氏は、藍染を墨絵のように捉え、藍の濃淡によって豊かな表情を描き出す。作品には「古庄」の印が添えられる。それは、紀治氏自身が心から納得した証であり、作品が完成へと至った瞬間のしるしでもある。その深い藍色は人々を魅了し、古庄家の藍染作品はこれからも生み出され続けていくだろう。徳島の地に根ざしながら、やがて徳島を越え、未来へと静かに紡がれていく。

森屋 千晶
MORIYA Chiaki
愛知県 出身
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