- 2024.7.10オンラインレクチャー「TSUNAGU.US #1」の募集が開始されました。
-藍の學校-
これからのアートマネジメント及び作品制作を行う人材には『環境に配慮した持続可能な物作りの思考』が資質として不可欠です。工芸は長い年月をかけてその地域に最適化された歴史を持ち、環境に対する配慮や多様な生物との共存への試みの蓄積があります。その知恵を文化、技術、科学など様々な視点から改めて捉え直すことで『環境に配慮した持続可能な物作りの思考』を抽出できると考えました。
本事業は世界各地で文化を形成している「藍」を通して工芸の文化を再考し、日本の工芸から世界の工芸へと視点を移しながら現代社会に求められている新しい思考を見出し、これらを踏まえてこれからの文化の中核を担いうる人材の発掘、育成を目指す実践型プログラムを提供します。
【カリキュラム概略図】
座学や実践を通し、工芸の物作りについて
思考・知識・技術の向上を目指す4つのプログラム
「知識」では工芸の物作りの歴史や暮らしについてレクチャーや講演会を通して視野を広げ、「実践」では作り上げる過程や、次世代に伝えることを学び各分野の技術の向上を目指します。「材料」では種から原材料を育てることで物作りの思考を育み、「展覧会」では藍の學校で制作したプロダクト・文章・写真・材料・道具の展示やギャラリートークを開催し来場者と共に物作りについて考える場を提供します。
対象:
伝統工芸作家・芸術家・芸術系メディア(書籍・webメディアなど)編集者・教育関係者・大学教員をはじめとした研究者・自治体・企業の芸術企画担当者・文化施設担当者・一般市民・大学生・美術館・博物館の学芸員
など
HOW TO APPLY
PROGRAM
TSUNAGU.US #1 | 参加費無料
7月10日(水)より募集開始
オンラインレクチャー
講座 テーマ
「伝える・つながる・受け継ぐ」
美学者、研究者、プロデューサー、アーティストそれぞれの視点で、工芸の現状、歴史、哲学、地域プロデュースについて、オンライン座学形式の講座を全5回開催します。
【Schedule】
第1回 | 8/23(金) 18:00-19:40
ミメーシスとうつし──伝達の哲学
【講義内容】
西洋芸術思想の根底にある「模倣=ミメーシス」概念と、日本美学における「うつし(写し、移し)」という考え方を比較検討しつつ、新石器時代以降現代に至るまでの人類文明において、伝えること、受け継ぐこととはそもそも何を意味するのか、その哲学的な根底をめぐって考えます。
Profile
吉岡 洋
YOSHIOKA Hiroshi
美学者
京都芸術⼤学教授
『情報と生命』『〈思想〉の現在形』他、美学芸術学、哲学、メディア論に関わる著作・翻訳など多数。研究活動に加え、批評誌『ダイアテキスト』等の編集、「京都ビエンナーレ2003」等の美術企画、また映像インスタレーション作品「BEACON」の制作も行なってきた。ロームシアター京都リサーチプログラムメンター。
https://www.youtube.com/@hirutanu第2回 | 9/28(土) 14:00-15:40
伝統を受け継ぐために必要な勇気の話
【講義内容】
私たちは「伝統は変わってはいけない」と考えがちです。しかし、毎日少しずつ社会は変わり、人は変わり、使える材料・技術は同じではなくなっていきます。このレクチャーでは様々な実例を挙げて、伝統を受け継ぐために必要な勇気についてお話します。
Profile
前﨑 信也
MAEZAKI Shinya
工芸文化史
京都女子大学教授
龍谷大学文学部史学科卒業後、英国・中国に留学。2009年ロンドン大学で博士号(日本美術史)取得。立命館大学専門研究員などを経て、2015年京都女子大学准教授、22年より現職。大阪大学非常勤講師、東京芸術大学非常勤講師、京都市立芸術大学芸術資源研究センター、立命館大学アート・リサーチセンターの研究員などを兼務。著書論文多数。
第3回 | 10/25(金) 18:00-19:40
沖縄の染織物業界から考える文化と経済
【講義内容】
沖縄県は、国の伝統的工芸品に13品目の染織物が指定されていますが、生産額、従事者数は減少傾向にあり、厳しい状況が続いています。このような状況を生み出している産地の現状や染織物業界の産業構造から課題を抽出し、次世代に産地の明るい未来を繋いでいくための文化と経済の調和ある発展を考えます。
Profile
鈴木 修司
SUZUKI Shuji
ゆいまーる沖縄株式会社 代表取締役
沖縄県立芸術大学 非常勤講師
『2010年に従業員承継でゆいまーる沖縄(株)の社長に就任。沖縄の工芸品のブランド構築や、沖縄県立芸術大学とコラボしたデザインブランドを立上げる。工房運営セミナーや染織職人の人材育成プロジェクトなど沖縄の工芸業界の課題解決に向けた取組みも実施。沖縄県工芸産業振興審議会の委員、沖縄県立芸術大学の非常勤講師等も務める。
https://utaki.co.jp/第4回 | 11/23(土・祝) 15:00-16:40
染工場経営とものづくりの継続
【講義内容】
私は京都という染織の産地で山元染工場を経営し、芸術大学で染色の魅力を伝える講師として活動しています。創業95年の染工場を未来に繋げていくためにすべきことは何なのか。作り手は伝え手にもなれるのか。産地が求めるのはどんな人材なのか。テキスタイルブランド「ケイコロール」の運営に奮闘しつつ考え続けています。
Profile
山元 桂子
YAMAMOTO Keiko
染色家
(株)山元染工場 取締役
京都芸術大学 美術工芸学科専任講師
京都芸術大学大学院修士課程修了。結婚と同時に山元染工場で舞台衣裳制作事業に従事。染めものブランド事業「ケイコロール」主宰。 (株)山元染工場取締役。ビームスジャパンやアーバンリサーチなどのアパレルブランドとのコラボ商品開発。京都市内ホテルからのオーダーによるアートパネルやクッションの制作。自社オンラインショップ運営など。
https://www.keikoroll.com/第5回 | 12/8(日) 14:00-15:40
清水家における伝統と革新
【講義内容】
清水六兵衞家は初代が1771年に開窯してから私で8代目となりますが、その歴代の制作スタイルは各代独自のもので、共通する技法やスタイルといったものは感じられません。それでも共通するのはモノづくりへの姿勢といったものでしょうか。それぞれの時代での革新が伝統につながっているように思います。
Profile
清水 六兵衞
KIYOMIZU Rokube
陶芸家
京都芸術大学名誉教授
1954年に京都に生まれる。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、京都府立陶工職業訓練校でロクロ成形、京都市工業試験場で釉薬を学び、本格的に作陶活動に入る。実質的なデビューとなった1983年の朝日陶芸展でグランプリを受賞。その後も土による造形作品を制作、数々の公募展において受賞を重ねる。2000年に清水六兵衞を襲名し、以後、造形性を持った器物を中心に作品制作を展開する。
https://rokubeygama.com/【問い合わせ】
ご質問はメールにてお問い合わせください。
info@ainogakko.jp
学校法人瓜生山学園
京都芸術大学 藍の學校lab.
〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
京都芸術大学